HIV感染・エイズ発症の検査を保健所で体験

専門医であってもHIV感染やエイズ発症は見た目で判断することはできません。

ではどうするのかというと、血液検査を行います。

エイズの情報掲示板を見ていると「危険行為から2日経過して喉が痛くなった」「1週間経過してリンパがはれた」「3日ぐらい体がだるい」という書き込みがあります。

「これはエイズの初期症状でしょうか?」「HIVに感染すると出る症状ですか?」と書いてありますが、検査をしないとわかりません。

保健所・HIV公的検査機関での検査は無料で、病院などの医療機関での検査は5,000円~10,000円程度です。

ただ事前に予約が必要であったり、危険行為から2ヶ月以上経過していないと検査を受けさせてもらえなかったりします。

「僕は会社の健康診断をうけているから大丈夫」「私は献血した時に何も言われないから大丈夫」などと言っている人がたまにいますが、それは大きな間違いです。

会社の健康診断ではプライバシーが尊重され、HIV検査はしていません。

また、献血でウィルスが発見された場合でも本人には連絡が行かず、全て破棄する仕組みになっています。

調べる方法は自らの意思で検査するしかありません。

今では自宅で検査できるHIV検査キットをインターネットで購入できます。

自宅で誰にも結果を知られることがなく検査できるので、一番ハードルの低い検査方法だと思います。

ちなみに私は自宅近くの保健所で無料で検査してもらいました。

自分の体験談でお恥ずかしいのですが、危険行為の3日後ぐらいでしょうか、急に体調が悪くなりHIVかもしれないというプレッシャーに襲われました。

なんとも言えないプレッシャーと緊張感に襲われる日々が続いたせいか、熱を出して風邪のような状態が1週間続きました。

風邪のような症状は治まったのですが、毎日毎日いろんなサイトを調べ悶々と過ごしていたのですが、もう検査するしかないと決断し、近くの保健所を調べて電話しました。

まず聞かれたのは危険行為から2ヶ月以上経過しているかどうかでした。

私としてはすぐに検査をしてもらいたいところでしたが、2ヶ月以上経過しないと正確な検査結果がでないということでした。

不幸中の幸いと言いましょうか、次の検査日を聞いたところ、ぴったり2ヶ月経過する日だったので予約を入れました。

予約は匿名、または偽名で大丈夫です。

本名を語る必要はありません。

当然、電話番号なども一切告げる必要もないですし、聞かれることもないです。

また、一緒にクラミジアと梅毒の検査もできるということでしたので、ついでにお願いしました。

予約を入れたものの、実際の検査は約3週間後で、さらに検査結果が出るのはそこから2週間後です。

1ヶ月以上も生きたような心地がしない時間を過ごすことになりました。

不安で不安でしょうがなく「私は絶対大丈夫、1%の確率ならありえない、100回やっても1回感染するかどうか、そこまで運は悪くない」と言い聞かせました。

ですが、心の片隅では常に感染しているかもしれないというモヤモヤした感じがありました。

仕事も思うように進みません。

「その1%になっていたらどうしよう」

「彼女にも感染してしまうし、結婚して子供が生まれたりしたらその子供も感染している可能性がある」

「HIVの陽性反応が出たら、今後の身の振り方も考えなければならない」

精神的に不安定になり体調を崩し、熱が出たからエイズの初期症状かもしれないとさらに不安になり、さらに精神的にも追い詰められる、という超悪循環が成立していました。

病が気からとは本当だと思いました。

検査当日、予約した時間に保健所に行くと、1人の女性が待合室にいました。

やっぱり気になって検査を受ける人はいるようです。

受付で予約時の名前を告げて、しばらくすると個室に通されました。

聞かれる内容は危険行為から2ヶ月以上経過しているかの確認、血液を5ml程度採取するが倒れたりする心配がないかどうかの確認、検査結果を聞きに来られる日時の確認、それだけです。

全てを承諾した後、さらに別室に通され血液を採取されました。

普段の健康診断以上に緊張します。

採血後はさらに別室に通されて止血のため3分ぐらい待つように言われました。

約3分後、係りの人が止血を確認したら、検査結果を聞くための控えを渡してくれました。

本人を確認できる書類がそれしかないので絶対なくさないでと言われました。

受付を済ませてから終わるまで、15~20分ぐらいでしたがものすごく疲弊しました。

やっと検査の血液採取が終わりましたが、ここから検査結果が出る2週間がまた長いです。

遊んでも、酒を飲んでも、何をしていても心の底から楽しめません。

プレッシャーのせいか毎日下痢でした。

風呂に入ったら体の隅々までみて、ちょっとした虫さされのようなふくらみも気になって仕方ありませんでした。

そして2週間後、絶対なくさないでと言われた控えを持って同じ保健所の受付に向かいました。

もう精神的にもいっぱいいっぱいで、恥ずかしい話、神様に祈りました。

「ご先祖様、助けて!」本気で思いました。

また待合室に女性がいました。

前回とは違う人のようで、やっぱり気になっている人は多いと感じました。

緊張で変な汗を手のひらにかきました。

就職の面談とか大学受験以来の嫌な汗です。

呼び出され、個室に入ったときはもう限界でした。

なんか空気が異常なまでに重いんです。

目の前の景色が、部屋全体が灰色がかったように見えました。

あまりにもショックなことがあると目の前が真っ暗になるとは、あながち嘘ではないと感じました。

重々しい雰囲気の中、検査結果を見せられました。

陽性かと思って検査結果用紙を見ましたが、そこには(-)マイナスの文字がありました。

陰性です。

HIVに感染していませんでした。

今までのよくわからない緊張感から開放され、涙が溢れそうになりました。

ご先祖様や神様に心の底から感謝しました。

そして、自分が行ってしまった愚かな行為を二度と繰り返さないと心に誓いました。

クラミジアと梅毒も(-)で問題ありませんでした。

ちなみに、一昔前は危険行為から3ヶ月経過しないと検査しても確定できなかったそうですが、現在は精度が上がり2ヶ月で十分だそうです。

危険な行為をしてから2ヶ月、検査を受けて結果を聞くまでの2週間、合計2ヶ月半、大げさに聞こえるかもしれませんが、何をしても心のどこかに自分の人生は終わっているのかもしれないという思いがありました。

たとえ感染していたとしても治療薬の開発も進んでいるので死ぬことはないだろう。

だが、こんな状態の男と結婚してくれる人はまずいないだろうし、自分の子供なんてもってのほかだ。

自分の人生の選択肢が一気に狭くなってしまうかもしれない。

もしかしたらすでに彼女を感染させてしまっているかもしれない、いろんなことを毎日考え、本当に生きた心地がしませんでした。

1年のうち、約5分の1の時間を苦悩の時間についやしたことになり、こんなばかげた時間は二度と過ごしたくないと思いました。

こんな経験は他の人にもして欲しくないです。

自分も含めてですが、生の行為を1回でもした場合、その行為の種類によって確率が違うだけで、可能性がゼロではなくなるということを日本人はもっと自覚しなければならないと思います。

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